k3氏「著作権論議」について語る − 2004/01/15 Thu 02:06:04
   
 「著作権侵害」をきっかけとする荒らし行為(所謂ネチケット上行き過ぎだと思われる抗議活動も含む)の拠点は、2ちゃんねる等でもよく見受けられ、またそれに関する論議も各所に散在している。今回k3氏の糞板で論議がなされ、もどかしさを感じた管理者k3氏が見解を発表した。極めて正論なので、今後同様の論議が起きた時の参考意見として活用されたし。

 なお補足事項として著作権侵害の罰則に関して書いておく。著作権侵害は犯罪のため、侵害者を処罰してもらうことが出来る。ただし親告罪なので、被害者が告訴しなければ処罰はされない。罰則は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金。法人等が著作権等(著作者人格権を除く)を侵害した場合、1億円以下の罰金となる。


http://www.schemer.org/cgi-bin/fuck/fuck.cgi (check)

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今日の正論
[47]Name:k3 Date: 2004/01/14 Wed 23:05:48 [Chinko] ■ ▼ ▲ ▽ △

つか、話がブチブチ切れたりとんたりして、萎える。(;´Д`)
最近の投稿を見て、著作権について荒らす理由について、ちょっと「ん?」って思ったので書いておきます。

1.
まず、著作権論議でよく言われることですが、親告罪であり、著作権者が訴えなければ、合法であるという事。
訴えないという事はつまり、創作物をめぐるいくつかの権利の侵害を許可するという事ですね。
なぜ許可するのかというと、二次創作が市場を活性化させるからだとか、イメージの問題とか、ただ単にルーズなだけとか色々あります。
しかし、著作権の問題を法律の字面で追っていくだけでは、表面的な議論しか期待できません。
なぜ、著作権があるのか?言い換えると、なぜ、かつては著作権がなかったのか?そもそも創作物とは何なのか?という問題を考える必要があるように思います。
著作権が保護される状態において、創作物である「情報」の発信者は特定された個人・団体であり、受信者側は不特定多数の人々です。
他方、誰が書いたか分からない、例えば、我々が民話や神話、物語のような形態で保持している創作物の場合、情報の発信者が特定されていません。
日本を例にとって考えてみると、やはり著作権という概念が認められ、情報の発信者と受信者の紐帯が確立されたのは近代に入ってからでした。
この背景には、西洋から輸入された「個人」の思想があり、また、「作家」の存在を明確に打ち出した小説の影響が大きかったと思われます。
もちろん、それ以前の創作物全てが、発信者不明の情報であったわけではありません。
しかしながら、作家という意識が近代ほど明確にあったとはいえず、いってみれば一つの「ものがたり」として、発信されてきたわけです。
起源をたどれば、口承文芸にいきつくであろうことは推測されますが、ともあれ、発信者・受信者の関係からみると、情報の伝達の仕方にはそうした二つの種類があったと考えられます。
そこで、改めて、著作権問題を考えてみると、著作権者が訴えでないという事はつまり、発信者としての立場を放棄し、情報を受信者に委ねるという事を意味しています。
「著作権を主張する事は近代的である。しかるに、我々は近代人である。故に、著作権を主張しなければならない。」というのは乱暴にすぎます。
「小説」と「ものがたり」を分けましたが、両者は厳密に区別されるわけではなく、情報を受信者の判断に委ねるという側面では、変わりがありません。
だから、時として、受信者にとって発信者の存在が煩わしく感じられる事もあるわけで、ひとつの芸術である創作物としては、発信者がかえって不要であるという場合もあります。
そうした事情を考慮しつつも、また、別に商業的な理由もあり、著作権が存在しているのです。
だから、発信者が身を隠すか隠さないか・・・著作権を主張するかしないか、著作権侵害サイト(≠著作権法違反サイト)を訴えるか訴えないかを受信者がどうこういうのはお門違いであるし、そうしたサイトに押しかけて文句をつけるのも筋違いだという事です。
という陳腐な結論を出すために長文書いてしまった。
今日も鬱だ。

# 次回予告「著作権侵害サイトを弾劾する人々に関する考察」

2.
荒らしが起こる理由は、先行の研究によっていくつかの種類に分類されています(まぁ、ググって下さい)。
戦争が起こる理由が一つでないように、荒らしが起こる理由も一つでない事が多いです。
例えば、私怨がもとで荒らしを行い、やっている内にその荒らし行為そのものや相手を翻弄する事に熱中しだしてしまう人もいるでしょうし、その逆もあるでしょう。
長期化するのは、やり取りによって怨恨が増していくケースが多いですね。
そして、今回の場合は、どちらかというと・・・(以下略
 
[ by 半島弁護士  2004/01/15 Thu 02:06:04 ]