基本設定 :
 ネットワークシステムが進化し、特殊なバイザーを装着することによって自らが作り出したプレイヤーキャラクターに精神をリンクさせることが可能となった近未来。ネットワーク上に作り出された仮想世界は様々な場面で利用され、生活の中での重要性を次第に高めていったが、その反面、システムの隙を突いた悪質な犯罪が後を絶たなかった。
 そして、そんな仮想世界を当ても無く彷徨う男が一人。
 彼には過去の記憶がなく、原因は不明だが仮想世界からログアウト出来なくなっていた。
 自分が未帰還者ならば記憶を取り戻せばログアウト出来るはず。
 そう考えていた男は手がかりを求めてネットワーク上を歩き続けるが、記憶に関する情報を掴むことは出来なかった。やがて月日が経ち、彼がログアウトすることを諦めかけていたある日、偶然出会った白髪のPCから”アンダーグラウンド”と呼ばれる場所のコネクトキーを貰った。
 そこは、ネットワーク中を探し回った男が唯一訪れていない場所だった。
 法すらも無視される無法地帯だったが男は躊躇せず、現実世界に戻る為に最後の望みをかけて”アンダーグラウンド”に足を踏み入れることを決める。
 現実世界より高度に発展し始めた仮想世界は、何十億という人間を飲み込んで今日もネットワーク上に存在し続けている。どこへ行くとも分からないままに。

基本設定2 :
 ”アンダーグラウンド”の”荒らし界”を題材に書く、準創作小説。
 男が旅をしているネットの世界は、MATRIXのような仮想空間と考えて下さい。
 この話に出てくる”アンダーグラウンド”はあくまでも題材に過ぎず、実際に存在するサイト名や人名が出てきていてますが、勝手に拝借して新しい設定を付け直したまったくの別物です。